アジア歴訪中のペンス米副大統領は13日午前、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。ペンス氏は会談後の記者発表で、「(日米間の)貿易不均衡はあまりにも長く続いている」と述べ、貿易問題を是正するための二国間貿易協定の交渉促進に強い意欲を示した。
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ペンス氏は日米間の通商問題をめぐり「米国の物品サービスには多くの障壁がある」と指摘。協定は物品だけでなく、「サービスなどのいくつかの重要な分野も対象になる」との認識を示した。一方、安倍首相は協定自体には言及せず、「日米双方の利益となるよう、日米間の貿易投資をさらに拡大させたい」と意欲を示した。
9月の日米首脳会談で交渉入りで合意した貿易協定をめぐっては、ペンス氏がかつて「FTA(自由貿易協定)」、日本側は「TAG(物品貿易協定)」と呼ぶなど、双方の認識の差が浮き彫りになっている。
一方、両氏は通商問題のほかに、北朝鮮問題をめぐっては北朝鮮の完全な非核化について国連安保理決議の履行が重要であるという点で一致。拉致問題の早期解決に向けた緊密な連携を確認した。さらに、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性についても確認した。(清宮涼、太田成美、園田耕司)