男子テニスの年間成績上位8人による今季最終戦、ATPツアー・ファイナル第5日が15日、ロンドンで行われ、シングルスの1次リーグB組最終戦の第3戦で錦織圭(日清食品)はドミニク・ティエム(オーストリア)に1―6、4―6でストレート負け。通算1勝2敗で2年ぶり3度目の準決勝進出(各組上位2人)は果たせなかった。ティエムも1勝2敗。もう1試合はロジャー・フェデラー(スイス)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6―4、6―3で破り、ともに2勝1敗で1次リーグ突破を決めた。
「感覚」戻らず、シーズン終了
スコアをつけるのもつらくなる錦織の乱調ぶり。アンダーソンから1ゲームしか奪えない惨敗から中1日。修正は施せなかった。
「コートなのか、球なのか。わからないけれど今週は感覚が良くなかった」。負けても言い訳をしない主義の彼が技術、戦術以外の外的要素に原因を探した。
第1セットの第1サーブの成功率は43%。「悪くなった原因の最初に来てしまったのはサーブ」。これも2日前に聞いたセリフ。2セットで「凡ミス」に当たるアンフォーストエラー、41個も異常な多さだ。
右手首痛から復帰した今季は後半の快進撃で8人だけが上がれる最終戦の切符を射止めた。「今年1年、ここまで来られたことはほぼ奇跡。それは我ながら評価していますけど、良い終わり方じゃなかった」。敗戦直後で落胆は隠せなかったが、健康でシーズンを締めくくれた自己肯定感が、徐々に湧いてくるはずだ。(稲垣康介)