テニスのウィンブルドン選手権第6日は6日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで行われ、混合ダブルス1回戦でアンディ・マリー(英)とセリーナ・ウィリアムズ(米)組が、アンドレアス・ミース(ドイツ)とアレクサ・グアラチ(チリ)組を6―4、6―1で下した。ともにシングルス元世界1位の2人が、コンビを組むのは初めて。
センターコートは歓声、ため息、そして時々、笑い声にも包まれた。ウィンブルドンのシングルスで2度の優勝を誇るA・マリーと、4大大会通算23勝のセリーナが横に並び、同じボールを追いかけた。「初共演」を最後まで見届けようと、試合が終了した午後8時半でも、会場には大勢の人が残っていた。
シングルス元世界1位の2人が組むことが正式に決まったのは、今月に入ってから。急造コンビだけに、連係では凡ミスも出た。事前にサイン交換の打ち合わせもしていたが、使う余裕はなかったと苦笑いする。
ミス、個々の能力でカバー
それでも、個々の高い能力でミスをカバーした。強烈なサーブに鋭いショット、計算し尽くされたボレーなど、高い技術で得点を重ねた。A・マリーは男子ダブルス、セリーナは女子シングルス後の「ダブルヘッダー」とは思えないほど、精力的に動いてもいた。
記念すべき初勝利。記者会見場に現れた2人は、安堵(あんど)していた。笑顔が絶えなかった試合について聞かれると、セリーナが「すごく楽しかった。4大大会優勝者と一緒にプレーすると、いつも学ぶことがある」。1月に臀部(でんぶ)の再手術を受け、一時期は引退を示唆していたA・マリーも「ここのセンターコートに、セリーナと戻ってこられてこれ以上ない体験ができた」としみじみと語った。(遠田寛生)