学校法人「加計(かけ)学園」の学部新設問題をめぐり、安倍晋三首相の元秘書官や「腹心の友」らに苦言を呈した愛媛県の中村時広知事(58)が、18日投開票の県知事選で3選を決めた。記者団に「(国と地方の)不要な上下関係意識は弊害になる。正しいことを言う姿勢は何ら変わらない」と述べ、3期目に向けた意気込みを語った。 愛媛県知事選、中村時広氏が3選 新顔2人を破る 現職の中村氏は、市民団体役員の和田宰氏(66)=共産推薦=、看護師の田尾幸恵氏(49)の新顔2人を破った。 加計学園の学部新設問題では、県や今治市の職員らが首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会し、柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べたとする県文書の存在が今年4月に判明。だが、政権側は面会の事実を認めず、中村氏は職員が受け取ったという柳瀬氏の名刺を公開するなど「対抗措置」に出た。 また、安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ学園の加計孝太郎理事長が会見で首相との面会を否定すると、中村氏は「もやもやした感じが残る」などと苦言。「安倍1強」と言われる中で政権側に「ものを言う知事」として注目された。 知事選では、3期目を目指す中村氏を自民、公明、立憲民主など主要政党の県組織が支援。中村氏は選挙期間中、西日本豪雨の被災農家支援や台湾―松山の直行便実現、サイクリングロードの整備といった観光振興などを訴えた。当選を確実にした後、3期目の県政運営について「やれることは全部やる意気込みで臨み、真っ正面から挑戦していく」と話した。(吉川喬) |
「もの言う知事」3期目も姿勢継続へ 愛媛・中村氏当選
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