マティス米国防長官は21日、国防総省内で記者団に対し、来春に予定されている米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」について、規模を縮小した上で実施を検討していることを明らかにした。マティス氏は「(北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉の)外交の妨げにならないようなレベルで行うように再編成しているところだ」と語った。
フォール・イーグルは米韓両軍が戦術を確認する野外機動演習で、毎春実施されている。マティス氏は規模縮小の詳細は明らかにしていない。今回の判断には、規模縮小によって北朝鮮を刺激するのを避けつつ、米韓両軍の軍事能力を演習の実施によって維持する狙いがあるとみられる。
米韓合同軍事演習の実施をめぐっては、マティス氏と韓国の鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相が10月末、米国防総省で行われた米韓定例安保協議(SCM)で、来年に予定されている大規模演習の実施について、12月1日までに判断することを決めた。米国防総省が21日発表した声明で「今後の演習については規模と範囲を含む様々な観点から引き続き検討を続ける」と指摘。フォール・イーグルに加え、ほかの大規模演習についても規模縮小の可能性を示した。
米韓両政府は、6月の米朝首脳会談でのトランプ大統領による演習中止の表明を受け、「フリーダム・ガーディアン」や「ビジラント・エース」などの大規模な米韓演習の中止を決めている。(ワシントン=園田耕司)