マクロン仏大統領は29日、サウジアラビアのムハンマド皇太子と、30日からアルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談すると発表した。ムハンマド皇太子は、サウジ人のジャマル・カショギ記者がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された事件をめぐり、関与が疑われている。事件後、欧米の首脳がムハンマド皇太子と会談するのは初めて。
マクロン氏は29日に会見し、「捜査によって、カショギ氏の家族にとっても、国際社会にとっても、事件に完全な光が当てられるように望む」と述べ、ムハンマド皇太子に事件の全容解明を求める考えを示した。
複数の米メディアは事件について、「ムハンマド皇太子の命令だったと米中央情報局(CIA)が結論づけた」と報じたが、サウジ政府はムハンマド皇太子の関与を一貫して否定している。(パリ=疋田多揚)