トランプ米大統領は29日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれるアルゼンチンへの途上で、12月1日に予定するロシアのプーチン大統領との首脳会談をキャンセルすることを明らかにした。ウクライナ南部クリミア半島東部のケルチ海峡で、ウクライナ海軍の艦船がロシアに拿捕(だほ)されたことを理由にしている。
トランプ氏は29日、「艦船と船員がロシアからウクライナに戻っていないという事実を鑑み、アルゼンチンで予定されたプーチン大統領との首脳会談をキャンセルすることが、すべての関係者にとって最善であると判断した」とツイッターに投稿した。
この投稿に先立つ29日午前には、トランプ氏はアルゼンチン出発を前にホワイトハウスで記者団に対し、「おそらくプーチン氏と会うことになるだろう。何が起きたのか詳細な報告を機内で受ける。その上でどうするか決める」と語っていた。
ただし、トランプ氏はプーチン氏への批判については避けており、この日のツイートでも「この状況が解決されれば、すぐに再び意義のある首脳会談がもたれると期待している!」と強調し、ロシアとの会談実現を模索する考えも示した。(ワシントン=土佐茂生)