政界を引退した亀井静香氏(82)が実業家に転じ、再生可能エネルギーのビジネスに乗り出した。太陽光発電所を設立し、政治家時代に掲げた「脱原発」への道筋を、今度は会社経営者として探り続けるのだという。新たな挑戦の狙いと勝算を聞いた。
亀井静香、脱原発へ起業 元総理の激励に「彼は口だけ」
特集:カイシャで生きる
――なぜいま亀井さんが太陽光ビジネスを始めるのですか。
「政府は原発をやめないと言うけれどね、脱原発はできるはずなんだよ。太陽光の方が原発よりもぜったい安く電力をつくれるはずだ。けれども事業にするまでにカネがかかるし成功するかどうかはリスクがあるから、やってやろうという人がなかなか出てこない。だから俺が挑戦することにしたんだ。成功モデルを示してみせるよ」
――「脱原発」を意識したきっかけは何ですか。
「実は東日本大震災の前までは原発は仕方ないと思っていたんだ。火力は二酸化炭素の排出が多い問題があるし、何より電力会社が原発がいいと言っているんだからそれでいいじゃないかとね。けれども、3・11ですべてが変わったね。震災のすぐ後に福島入りして原発の惨状を目の当たりにした。地元の暮らしはムチャクチャになっちゃった。あんな状況を見せられて、原発は絶対にいかんと考えが変わったね」
――しかし、政治の世界では亀井さんの手腕でも脱原発の機運は高まりませんでした。
「頑張ったんだけれどね、政治…