名古屋市中区の栄交差点北東の区画で名古屋市と大丸松坂屋百貨店が協議している再開発ビルについて、2024年度にも開業する方向で両者が近く合意することがわかった。大丸松坂屋と共同開発する民間事業者を19年度に募集し、市の所有地を売却するという。
名古屋駅、変わりゆく街
再開発予定地は、名古屋市中区錦3丁目の広小路通と大津通が交わる角地で、面積は約4800平方メートル。市が所有する栄広場(約1800平方メートル)と、大丸松坂屋が持つ駐車場など(約3千平方メートル)からなる。
市は再開発の条件として、商業や飲食、文化、宿泊などの機能と、広場空間の確保や地下街「サカエチカ」への接続などを求める。大丸松坂屋は、大津通を挟んだ向かいに新しい商業施設を20年に開業する予定で、二つのビルの相乗効果を目指す。市は有識者による審査を経て、来年度中に共同開発の事業者を決める。事業者の提案内容は、大丸松坂屋も確認できる機会を設けるという。
栄地区では、閉店した百貨店「丸栄」の跡地開発や中部日本ビルディング(中日ビル)の建て替えなど複数の開発案件がある。栄交差点北東の区画は一等地にありながら長く手つかずだったが、市と大丸松坂屋の間で共同開発への機運が高まり、協議の回数が増えていたという。(関謙次)