サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件をめぐり、ハスペル米中央情報局(CIA)長官が4日、米議会上院の幹部に対し非公開で詳細な説明をした。説明を受けた議員からは、サウジのムハンマド皇太子について「殺害の共犯だ」との声があがった。
【特集】事件の経緯は、王室の関与は…サウジ人記者殺害疑惑
米メディアによると、CIAは皇太子がカショギ氏の殺害を命じたとの結論を出したとされる。だが、トランプ大統領は「決定的なもの(証拠)はない」と、皇太子の擁護を繰り返している。
この日、説明を受けた共和党重鎮のグラム上院議員は記者団に「皇太子の関与なしで実行された可能性はゼロだ」と指摘。「彼(皇太子)はクレージーで危険な人物だ。両国関係をリスクにさらすことになる」と語り、サウジへの巨額の武器売却に反対姿勢を示した。
また、上院外交委員長のコーカー議員(共和)も「もし皇太子が陪審員の前に立てば30分で有罪になるだろう」と指摘した。
ムハンマド皇太子の関与疑惑をめぐっては、先月28日にポンペオ国務長官とマティス国防長官が上院の非公開会合で関与の証拠はないと強調。ハスペル長官が出席しなかったことに議会側が猛反発して、説明を求めていた。(ワシントン=杉山正)