滋賀県草津市で8月、同市の無職中川直(すなお)さん(当時69)の切断された遺体が見つかった事件で、県警は6日、死体損壊・遺棄の罪で起訴されている焼き肉店経営杠(ゆずりは)共芳容疑者(68)=同県守山市=を殺人の疑いで再逮捕し、発表した。「そのようなことはしていません」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、逮捕容疑は8月6日~9日、自宅兼店舗かその周辺で何らかの方法で中川さんを殺害したというもの。これまでの捜査で中川さんの死因は分かっていないが、病死や自殺の可能性がないとして、殺害されたと判断した。杠容疑者は中川さんとかつて同じ建設現場の作業員として働いていたという。
杠容疑者は中川さんの遺体を同じころに傷つけ、草津市の農業用排水路やその近くに捨てたとして10月に起訴された。今月20日に初公判が開かれる。杠容疑者宅では中川さんのものではない骨片も見つかり、県警は別の人の骨とみて捜査している。
杠容疑者は8月中旬以降に中川さんの口座から現金約70万円を引き出したとして9月に逮捕され、一連の事件に関与した疑いが浮上した。(石川友恵)