「日本一働きやすい会社」と呼ばれる電気設備資材メーカーの未来工業(岐阜県輪之内町)が13日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。知名度を高め、土木などの異業種への参入も進める方針だ。
名古屋証券取引所では2部から1部に指定替えされた。この日の東証1部の終値は2981円。名証1部は前日より35円高の3015円で取引を終えた。名古屋市内で会見した山田雅裕社長は「東証1部に属することで社会的な信頼が高まると期待している」と話した。
住宅向けに開発してきた樹脂製の商材を、土木関係の分野へも売り込むという。3年前から異業種への参入に取り組んできたが、「トライアンドエラー(試行錯誤)をしている」(中島靖取締役)と苦戦中。東証1部上場を機に、攻めの経営を軌道に乗せる狙いもある。自宅から通勤可能な範囲内にとどまっている社員採用についても、首都圏などへ広げる。
未来工業の社員(単体)は825人で、すべて正社員。年間の休みは約140日と多く、今年の年末年始は、12月22日から1月8日まで18連休の予定。その一方、勤務の生産性を上げるために上司への報告は口頭で済ませ、ムダな書類づくりをやめている。1965年の創業から赤字はなく、2018年3月期は売上高が前年比4・6%増の351億円、純利益は26・9%増の29億円だった。(細見るい)
「日本一働きやすい会社」と呼ばれる理由
・年間の休みは約140日
・1日の勤務時間は7時間15分
・残業は基本的になし。制服もない
・約5年ごとに海外へ社員旅行
・社内の各クラブに月1万円を補助
・社員食堂の定食(500円)に約200円を補助