南米ベネズエラの有力紙で、果敢な政権批判を続けてきた「エルナシオナル」が、14日付の紙面を最後に75年続いた新聞印刷を終えた。経済危機による紙不足に加え、政府から印刷用紙などの購入を妨害されていた。今後もインターネットで記事を出していくとし、編集幹部は「これで終わりではない。民主主義のために闘い続ける」と訴えた。
14日にエルナシオナル本社を訪れたベネズエラ人記者によると、明かりを消された工場に印刷を止めた輪転機が並んでいた。編集局に現職の記者や元職員、読者が集まり、編集幹部らによる記者会見が開かれた。
会見で、パトリシア・スパダロ編集長は「脅しや攻撃があっても発信を続ける。すべてを語り続けよう」と呼びかけ、「紙の新聞が戻ってきたと、記者会見できる日が来ると信じている」と述べた。
1943年に発行を始めたエルナシオナルには、ノーベル文学賞を受賞したチリの詩人パブロ・ネルーダやコロンビアの小説家ガブリエル・ガルシアマルケスらが寄稿したこともある。
チャベス前大統領時代には、掲…