政治資金収支報告書の巨額の記載漏れ問題で、大阪府堺市の竹山修身(おさみ)市長(68)が22日、山口典子市議会議長に4月30日付での辞職願を提出した。市議会の与党である自民、旧民主系から事実上の辞職勧告を突きつけられ、これ以上の市政運営は困難と判断した。
市議会は30日に臨時議会を開き、竹山氏の辞職に同意する見通し。後任を選ぶ市長選は、議長から市選挙管理委員会への通知後、50日以内の6月中旬までに実施される。夏の参院選との同日選にはならない。
22日午後、山口議長に面談を申し入れた竹山氏は「市民に不信を与え、信頼を失墜したことは誠に申し訳ない。これ以上、市政を混乱させたくない」と辞意を伝えた。その後の報道陣の問いかけには答えなかった。
竹山氏の政治資金収支報告書の記載漏れ問題は2月に発覚。竹山氏側は収支報告書を2回点検したものの、点検資料の修正を繰り返し、今月時点で記載漏れの総額は収支計2億3千万円超に膨らんでいた。
竹山氏は「会計実務を担当してきた次女らのミスだ。私的流用はない」とし、これまで辞職を否定。今月23日に開く市議会議員総会で説明するとしてきた。
だが、市議会の公明、自民、ソレイユ堺(旧民主系)の3会派の代表が22日午前、緊急会見し、「説明できるとは思えない。即刻辞職を求める」と表明した。これを受けて、竹山氏は急きょ支援者らと協議し、辞表の提出を決めた。
大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は22日、記者団に、竹山氏が辞職した場合、「(維新公認の)候補者を必ず擁立して、堺以外でやっている改革を実現したい」と語った。(加戸靖史)