がん治療が理由だったにもかかわらず、議会の欠席日数が多いことを理由に「ポンコツ議員」とビラで名指しされた女性がいる。背景には、多くの議会で、出欠にかかわらず報酬が満額支払われる制度になっていることがある。病気や育児、介護などの事情を抱えた議員が、必要な時には休めるようにするにはどうしたらいいか――。女性は両立への模索を始めている。
がん治療で議会欠席は「ポンコツ」か 議員と両立の道は
東京都世田谷区議の中塚祥代(さちよ)さん(44)=立憲民主党=は、4回目の当選をめざす区議選を間近に控えた3月、区内で配られたビラに目を疑ったという。
全区議の「通信簿」として、欠席日数や質問回数などがランキング形式で記載され、「公務怠慢ポンコツ議員」「ブラック議員は誰だ」といった言葉が躍っていた。欠席日数が最も多い10日だったとして、通信簿の一番上に名前が記されたのが中塚さんだった。
ビラの影響は大きかった。選挙戦の最終盤まで、有権者から「一番議会を休んだサボり議員だろう」と言われたという。
2015年11~12月を中心…