過激派組織「イスラム国」(IS)掃討のため、米軍が主導する有志連合の調整を担当するマクガーク米大統領特使が今月末で辞任する。複数の米メディアが22日、伝えた。トランプ米大統領が「ISに勝利した」として19日に米軍のシリア撤退を表明したことに対し、抗議しての辞任とみられる。
トランプ政権では、マティス米国防長官もシリア撤退に反対して20日に辞任を表明したばかり。トランプ氏の判断に抗議・反対する政権幹部の相次ぐ辞任は、政権内の混乱の深まりを浮き彫りにしている。
米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、トランプ氏の撤退表明後、マクガーク氏は同僚にあてたメールで「(撤退は)有志連合のパートナーを困惑させる」と批判。米メディアによると、マクガーク氏はトランプ氏の表明前もISを打倒したと考えるのは「無謀」という見解を示していたという。
直近の米政府報告書によると、ISはシリアの領土の約5%を支配し、約1万4千人の戦闘員が同国にいるとしている。(ワシントン=園田耕司)