アフリカ中部コンゴ民主共和国で大統領選を前に、与野党の支持者や部族間の衝突が各地で起きている。100人超が死亡したとの報道もある。選挙管理委員会は23日に予定していた選挙を1週間後に延期すると20日に発表したが、野党支持者が反発し、混乱が収束する気配はみられない。
ロイター通信などによると、北西部のマインドンベ州で16日、候補者への支持などをめぐって二つの部族が衝突し、約120人が死亡、70人が負傷した。カサイ州でも少なくとも1人が死亡、80人がけがを負い、首都キンシャサでは投票用紙を保管した倉庫が何者かに放火された。
2001年から大統領の座にあるカビラ氏の後任を決める今回の選挙は、16年末までに予定されていた。しかし、カビラ氏は2期目の満了後も、「有権者名簿を更新できない」などの理由で選挙を先延ばししていた。憲法は連続して3期務めることを禁じており、カビラ氏は今年に入って不出馬を表明。後継候補として腹心のシャダリ元内相を指名し、影響力の維持を狙っているとみられる。
野党側は、最大野党・民主社会進歩同盟(UDPS)の党首や実業家ら複数の候補者が出馬しており、野党支持者の票が分散する可能性が指摘されている。
コンゴは1990年代に政府と…