イスラエル国会(定数120)は26日夜、国会を解散する法案を可決し、前倒し総選挙を来年4月9日に行うことを決めた。総選挙は来年11月に予定されていたが、連立与党の政権基盤が不安定なため、近く国会の解散に踏み切る。
最新の世論調査では、ネタニヤフ首相率いる右派政党リクードが現在と同じ30議席前後を獲得し、第1党を維持すると予測されている。ネタニヤフ氏は汚職疑惑を抱え、検察当局が起訴に踏み切れば辞任は不可避との見方が強まっていた。総選挙の前倒しが決まったことで、検察が影響を考慮して判断を先送りする可能性も指摘されている。
現政権は2015年3月の総選挙後に発足したが、今年11月にパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの停戦合意に反対し、極右政党「イスラエル我が家」が連立から離脱。連立与党は国会定数の半数を1議席だけ上回る61議席となり、厳しい政権運営を強いられていた。(エルサレム=渡辺丘)