カナダ外務省の報道官は3日、カナダが中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)幹部を逮捕した先月1日以降、中国で拘束されたカナダ人が13人に上っていると明らかにした。うち少なくとも8人はすでに釈放された。これまでに拘束が表面化していたのは3人だけだった。
これまで拘束が分かっていた3人のうち休職中の外交官ら2人は「中国の安全を脅かした」とされ、中国最高人民検察院の張軍・検察長は3日の会見で「2人が中国の法律に違反したことに何ら疑いもない」とし、司法手続きを進める考えを示した。不法就労に問われた残る1人は釈放され、カナダに帰国した。
外交官らの拘束は、中国による華為事件への報復措置との受け止めが強い。ただ、釈放されたケースについては関係が薄いと見られる。中国ではさまざまな理由で拘束され、司法手続き下にあるカナダ人が全体で200人いる。多くは保釈されるなどしているが、この数年は人数に目立った増減はないという。(ニューヨーク=鵜飼啓)