米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の賛否を問う県民投票(2月24日投開票)について、宮古島市の下地敏彦市長は4日、実施しないと改めて表明した。県に対し「大多数の議員が反対している中、市長としては執行できかねる」と回答したことも明かした。
玉城知事「県民投票延期せず」 不参加の自治体が出ても
沖縄はいま
下地市長は昨年12月、市議会で関連予算を削除した補正予算が賛成多数で可決された後、県民投票を実施しないと表明。その後、県から実施するよう勧告を受け再検討したが、判断は変えなかった。
県民投票を直接請求した有効署名のうち市内分は4184人。署名者の意思を実現しないことについて下地市長は「執行するかしないかは市長の判断。行政は大多数の意見でもって進める」と述べた。
県は、地方自治法に基づく是正の要求を検討しているが、強制力はない。県民投票の実施を求める市民は、下地市長に対し訴訟を起こす準備を始めている。
県民投票を巡っては、宜野湾市の松川正則市長も実施しないと表明。桑江朝千夫・沖縄市長は7日に判断を示す。石垣市の中山義隆市長は判断を保留している。糸満、うるまの両市議会では8日に関連予算案が再議に付される。
一方、玉城デニー知事は4日、職員向けの年頭あいさつで「県民一人一人が意思を示すことは大変意義がある」と述べた。(伊藤和行)