米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、政府が名護市辺野古の沿岸部に土砂を投入し始めてから半年となった14日、沖縄県の玉城デニー知事は定例会見で「埋め立て承認は撤回しており、工事は違法な状況で続けられている。民主主義や地方自治を脅かすものだ」と改めて政府を批判した。
政府は昨年12月14日、米軍キャンプ・シュワブ南側の区域に土砂を投入。今年3月には隣の区域でも埋め立てを始めた。両区域は埋め立て区域全体の約4分の1にあたる。北側の大浦湾側では軟弱地盤の地盤改良工事をしなければならず玉城知事の承認が必要となるが、知事は承認しない構えだ。
玉城知事は、昨年8月に県が実施した埋め立て承認の撤回を国土交通相が取り消したことに対し、行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟を起こす考えも明らかにした。「本来なら県民投票の結果を踏まえて工事は中止されるべきだ。政府には対話による解決を強く求めていきたい」と話した。(伊藤和行)