将棋の高校生棋士藤井聡太(そうた)七段(16)が、8日の第77期名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で富岡英作八段(54)に91手で勝った。デビューからの順位戦の連勝記録を18に伸ばし、中原誠十六世名人(71)が持つ歴代1位記録に並んだ。
名人への道 藤井聡太
永世七冠 羽生善治
大阪市福島区の関西将棋会館で午前10時に始まり、午後8時3分に終局した。今年最初の公式戦を白星で飾った藤井七段は「順位戦の6時間という長い持ち時間の中で、じっくり考えられていることが結果につながったのかなと思う。今期順位戦はあと2局。非常に大事な戦いになるので、気を引き締めて臨みたい」と話した。
2016年10月にプロ四段に昇った藤井七段は、17年度にC級2組で10連勝してC級1組に昇級。18年度の今期C級1組は本局で8連勝とした。C級2組とC級1組をあわせ、デビューしてから順位戦で負けなしの18連勝とし、09年に引退した中原十六世名人が記録した18連勝と並び、歴代1位タイとなった。
順位戦は名人戦の予選にあたり、上からA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の計5クラスがある。今期C級1組には39人が参加。18年6月から19年3月まで約10カ月で10局ずつ指し、原則では成績上位2人が一つ上のB級2組に昇級する。昇級を重ね、最上位のA級で優勝すると、挑戦者として名人戦七番勝負に登場できる。
本局の開始前の時点で、今期のC級1組は近藤誠也五段(22)、藤井七段の師匠である杉本昌隆七段(50)、藤井七段の3人が7連勝で昇級争いの先頭を走り、6勝1敗で船江恒平六段(31)が追う展開。師弟そろっての昇級が成るかどうか、今後も注目される。
藤井七段のデビュー以来の通算成績は122対局、104勝18敗、18年度の本局までの成績は39対局、33勝6敗となった。公式戦で6連勝中だ。(佐藤圭司)