内戦が続く中東イエメンで10日、ハディ暫定政権側の軍事パレードを反政府武装組織フーシのドローン(無人機)が攻撃し、兵士ら数人が死亡した。ロイター通信などが伝えた。内戦を巡っては先月、約2年ぶりに開かれた和平協議で部分停戦の合意が成立したが、事件が今後の協議に影響するのは避けられない。
同通信などによると、攻撃があったのは南部ラヒジ州にある軍の基地内。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤは、攻撃で5人が死亡し、20人がけがをしたと伝えている。軍高官が負傷したとの情報もある。フーシは影響下にあるメディアを通じ、「侵略者と傭兵(ようへい)」を狙ったものだと主張している。
イエメンは2015年からハディ暫定政権とフーシとの間で内戦が始まった。地域覇権を争うサウジアラビアとイランの「代理戦争」とも呼ばれ、これまでに1万人以上が犠牲となっている。(クウェート市=高野裕介)