イスラエルに境界を封鎖され、失業率が5割を超えるパレスチナ自治区ガザで、独創性を武器に新たなビジネスをおこし、荒廃からの再生をめざす女性がいる。その挑戦は閉塞(へいそく)感にあえぐ若者たちに勇気を与え、新たな起業の波を生み出した。外国企業も人々のハングリー精神に注目し、協業を模索し始めている。
女性は建築資材会社「Green Cake」を経営するマジド・マシュハラウィさん(25)。大学で土木工学を学んでいた2015年に同社を設立した。大学在学中に婚約し、卒業までに結婚して家庭に入る女性が少なくないガザでは異例の選択だった。「戦闘で荒廃したガザの再建に役立ちたかった」と振り返る。
ガザでは前年のイスラエルとの…