「まだまだ勝手に関西遺産」
大阪のおばちゃんアイドルグループ「オバチャーン」。そのコンセプトは「絡んでくるアイドル」だ。会いに行ったところ、記者も見事に絡まれてしまいました。
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デビューから7年、このアイドルがいまだ「関西遺産」に認定されていなかったことが不思議だ。「そやねん。うちら世界遺産やもん」。毒々しいまでの強烈さに気おされつつ、取材させていただいたのは――。
その名も「オバチャーン」。アニマル柄のド派手な衣装に身を包むコテコテのグループは、関西人にはすでにおなじみの存在に違いない。2012年に結成し、現メンバーは53歳~75歳の14人。デビュー曲「オバチャーンのテーマ」は、ユーチューブ再生135万回を超えた。仕掛け人は広告クリエーターの日座(ひざ)裕介さん(40)。「大阪らしさをPRするコンテンツを」と、おばちゃんたちの起用を思いついた。
昨年末、日本写真映像専門学校(大阪市)の学生が卒業制作に「オバチャーン」を撮影するというので、同席させてもらった。「絡んでくるアイドル」のコンセプト通り、話し出したら、まあ~、収拾がつかない。
この日、撮影に参加したメンバーは13人。不動のセンター舟井栄子さん(70)を軸に、それぞれが手を伸ばし、目を見開き、つかみかかってくるようなイメージでカメラに収まる。シャッターが切られるたびに、「うわー」と猛獣のような叫び声が上がった。
「正面、キツッ」(正面から見るときつい)。日座さんが思わず漏らすと、メンバーは「失礼やな」「褒め言葉かしら」と口々に反撃。けたたましい撮影が終わり、「死ぬか思(おも)たわ~」と、みんなで一息ついた。
アイドルグループAKB48の「神7(かみセブン)」にライバル心を燃やすのは、精鋭7人で構成する「仏7(ほとけセブン)」。昨年は「いつの間にか骨折」やソロ活動への転身などで4人が卒業し、今年からメンバーが新しくなった。撮影後、新「仏7」に独占インタビューできた。
――すてきな衣装はどこで買うのですか?
「その辺の商店街」「私は尼崎…