イラン政府は15日、同国北部のセムナン州にある宇宙センターから人工衛星を搭載したロケットを打ち上げたが、衛星を軌道に乗せるのに失敗したと明らかにした。ロケットの打ち上げは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術の向上につながるとされる。このため、イランのミサイル開発に神経をとがらせる米国が打ち上げを中止するように警告していた。
イランのジャフロミ通信・情報技術相は自身のツイッターで、ロケットから衛星を切り離す際に、速度不足で軌道に乗せることが出来なかったと説明。再びロケットの打ち上げを実施すると表明した。
イランのロケット打ち上げの兆候をつかんでいたトランプ米政権は、ポンペオ国務長官が3日、核弾頭を搭載可能な弾道ミサイルの打ち上げは「国連安全保障理事会の決議違反だ」とする声明を発表して中止を要求。だが、イラン政府は「決議違反ではない」とする立場で、ロハニ大統領は「衛星は天候の調査や農業向けのデータ収集のため」と強調した。(ロンドン=杉崎慎弥)