米民主党のペロシ下院議長は16日、トランプ大統領に書簡を送り、29日に予定する一般教書演説を延期するか、書面でするよう提案した。長期化する政府閉鎖の影響で、大統領と連邦議員が一堂に会するイベントを十分に警護することが難しいことを理由にした。ただ実際は、トランプ氏が「国境の壁」の必要性を国民に訴える舞台を阻止する意味もあるようだ。
一般教書演説は米大統領が年に1度、内政や外交、軍事など、今後1年間で重点的に取り組む政策課題を議会で説明するもの。議会が大統領を招待した上で、演説の実施を認める決議を上下両院で可決する。このため、下院が決議しなければ議会での演説はできない。ペロシ氏の書簡は事実上、一般教書演説の不要宣言だとも取れる。
ペロシ氏は野党・民主党が過半数を握る下院で議長に選ばれた後、トランプ氏に対し、29日に演説するよう招待状を送っていた。
だが、国境の壁の建設をめぐる与野党対立の激化で、政府機関の一部閉鎖が1カ月近くも続く。ペロシ氏は書簡で「残念だが、安全上の問題を考慮し、政府が再開した後の適切な日程で行うか、29日に議会に対し演説を書面で述べることを提案する」と伝えた。
米メディアによると、トランプ…