第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が24日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、渡辺明棋王が1回戦2回戦に連勝して、準決勝に進出した。勝負どころでの的確な判断力が光り、今年度1位タイの公式戦14連勝。第6回以来、2回目の優勝を目指す。
藤井聡太 名人への道
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広瀬章人竜王と深浦康市九段が当たった1回戦は、広瀬の先手で午前10時に始まった。ふたりの対戦成績は広瀬が13勝、深浦が5勝と広瀬がリード。昨年の竜王戦挑戦者決定戦三番勝負では広瀬が2勝1敗で深浦を下して挑戦権を獲得し、七番勝負で羽生善治九段を破ってタイトルを獲得している。
先手だけが飛車先の歩を交換した変則的な角換わりの形で、深浦が右玉に組み替え、2二に自陣角を打って攻勢に出た。深浦が攻めきれるか、広瀬が受けきって反撃に転じることができるかという終盤戦になった。
A図は広瀬が▲7五香と打って反撃含みで受けたところ。ここで深浦が打った△5八銀がこのタイミングしかないという絶好の一手だった。以下▲7九飛△7五角▲同歩△同飛▲7六歩△同飛▲8七歩としたが、△8六歩からの玉頭攻めが厳しく、そのまま深浦が138手で押し切った。終局は午後0時13分。「手があまりいいところに行ってなかったですね」と広瀬。前回準優勝だったが、今回は1回戦で姿を消した。
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本戦1回戦の渡辺―佐藤康光九…