さいたま市大宮区のオフィスビルで23日、勤務していた女性が首を切られて死亡した事件で、女性は、殺人未遂容疑で逮捕された元交際相手で前橋市職員の鳥山裕哉容疑者(25)=同市大渡町1丁目=からの暴力やトラブルに悩んでいたことがわかった。埼玉、群馬両県警によると、女性側は昨年9月以降に計4回、警察に相談。当日は被害届の相談で警察に行く約3時間前に被害に遭ったという。
22歳女性、切られ死亡 容疑の知人男、逮捕
亡くなったのは埼玉県春日部市の会社員金井貴美香さん(22)。鳥山容疑者は23日午後5時55分ごろ、金井さんを勤務先のビルで包丁で切りつけたとして現行犯逮捕された。
両県警によると、金井さん側から昨年9月以降計4回、警察に相談があった。同月17日に父親が「男女間のトラブルがあった」と110番通報し、春日部署は鳥山容疑者に対し、金井さんに近づかないよう口頭で警告。同19日にはトラブルのため群馬県高崎市の実家に戻っていた金井さんが高崎署を訪れて相談し、署は同26日に鳥山容疑者を呼んで金井さんが嫌がる行為をしないよう口頭で注意した。
昨年12月2日にも、春日部市の自宅に戻っていた金井さんが交番に「(鳥山容疑者が)家の近くにいるようだ」と申告。春日部署は鳥山容疑者に事実確認をしたが警告などはしなかった。
今月22日、金井さんの父親が再び「暴力があった」と通報。被害届の相談のため翌23日夜、父子で春日部署に行く予定だったが、その直前に襲われたという。
前橋市によると、鳥山容疑者は…