母親を飲酒運転の犠牲で失った造形作家が福岡県宮若市にいる。2006年に福岡市で子ども3人が犠牲になった事故を契機に飲酒運転撲滅の願いを込めて毎年、翌年の干支(えと)のオブジェを制作。昨年で一巡し終える予定だったが、今年もオブジェが自宅前に置かれていた。
「ガシャーン」。昨年10月14日午前3時半ごろ、寝ていた石橋鉄心さん(74)は大きな音に驚き、自宅前の県道に飛び出した。軽乗用車が横転。立ち上る白い煙。エアバッグが開いた運転席で男性が身動きとれなくなっていた。第一発見者の2人組の男性が言った。「酒を飲んでいるようだ」
古い記憶がよみがえった。19…