関西の中小企業が技術を持ち寄り、ドローンで人を運ぶ「空飛ぶクルマ」をつくるプロジェクトが始動した。ドローンの開発・製造を手がけるエアロジーラボ(大阪府箕面市)など3社と近畿経済産業局が発表した。2025年の大阪万博でのデモ飛行を目指し、関西企業の技術力を世界に発信する狙いだ。
開発するのは、環境負荷の小さい水素ロータリーエンジンとバッテリーを組み合わせ、6基のプロペラを備えた一人乗りの機体。一般的なドローンの2~3倍にあたる60分程度の航続時間を目指すという。水素(ハイドロゲン)とドローンを合わせ、「ハイドローン」とも名付けている。
このプロジェクトは水素エネルギーの活用、普及に取り組む近畿経済産業局が各社に声をかけて始まった。今後、モーターや機体の軽量化などの技術を持つ企業に参加を呼びかけ、開発主体の組織を8月をめどに立ち上げるという。
エアロジーラボの谷紳一最高経営責任者は、24日の記者会見で「関西には必要な技術を持つ企業がたくさんある。その力を結集し、『下町ハイドローン』をつくりたい」と話した。(中村光)