トランプ米大統領による5日の一般教書演説を議場で傍聴したのは、議員や政府高官だけではない。不法移民に家族を殺された人、政府閉鎖で無給で働いた航空管制官――。大統領や議員は招待客を通じて自身の強調したい政策をアピールした。
トランプ氏とメラニア夫人は、野党から反発を受ける国境の壁建設をアピールするため、人身売買の国際組織を取り締まる特別捜査官や、不法移民に肉親を殺された家族を呼んだ。薬物中毒から立ち直った人や、「名字のせいでいじめられた」という東部デラウェア州の6年生ジョシュア・トランプ君も招待された。ホワイトハウスは「米国のえりすぐりの人々」と称する。
一方、野党民主党議員はトランプ政権の政策に振り回される人たちを招待。史上最長の35日間続いた政府閉鎖でただ働きを強いられた航空管制官や、米軍への入隊禁止方針が打ち出されたトランスジェンダーの軍人、トランプ氏経営のゴルフ場をクビになった移民労働者、フロリダの高校銃乱射事件の生存者や遺族などが集まった。また、共和党のフォーテンベリー下院議員(ネブラスカ州)は、昨年ノーベル平和賞を受けたイラクの少数派ヤジディ教徒のナディア・ムラドさんを招待した。
ペロシ下院議長ら民主党の女性…