スポーツクライミングのスピードの日本一を決めるジャパンカップ第1回大会が10日、東京・昭島市のモリパークアウトドアヴィレッジであり、男子は21歳の池田雄大(千葉県連盟)が優勝した。2位は藤井快(こころ)(TEAM au)、3位は抜井亮瑛(ぬくいりょうえい)(奈良・香芝北中)。女子は21歳の野中生萌(みほう)(XFLAG)が制し、1月のボルダリング・ジャパンカップに続く2冠。2位に伊藤ふたば(TEAM au)、3位に野口啓代(あきよ)(同)が入った。
東京オリンピック2020
藤井が準決勝でマークした6秒920、野中が決勝で出した9秒388が、それぞれ男女の日本記録として公認された。日本山岳・スポーツクライミング協会が日本記録の規定を1月に整備し、今大会以降の記録が公認日本記録として扱われる。
少しくらいの失敗なんて、全く問題にならない。決勝の試合運びに、日本ランク1位の野中生萌(みほう)(XFLAG)のすごみがのぞいた。
「予想外のミス」と本人が振り返るのは、スタート直後だ。本来は勢いよく左手一本で処理するホールドを、思わず両手でつかんでしまい「勢いが落ちた」。ただ、ここで慌てない。「中盤から思い切りいった」。女子屈指のパワーと言われる急加速を発揮して15メートルを駆け上り、ランク2位のタイムを持つ伊藤ふたば(TEAM au)を最終盤でかわした。0・27秒差。「悪条件のわりには、よかったんじゃないかな」
ボルダリングに続き、これでジャパンカップは今季2戦2勝。「2019年、こんな良いスタートを切れるなんて」。五輪切符をかけた勝負のシーズンで、21歳が勢いづいている。
◇
〈男子優勝の池田〉 スピード種目のスペシャリスト。「『池田と当たる』って、隣の選手に重圧を与えられた。そこも自分の実力」