長崎県佐世保市にあるテーマパーク、ハウステンボス(HTB)は、中国の複合企業「復星集団(フォースングループ)」からの出資受け入れを取りやめた。HTBの親会社、エイチ・アイ・エス(HIS)が発表した。中国人客の取り込みを狙ったが条件が折り合わず、これ以上の検討は行わない、という。
HTBの株式は現在、3分の2をHISが持っており、残る3分の1は九州電力など福岡の企業5社が保有する。
それぞれの保有株式の一部を復星に売り、HIS50・1%、福岡5社で計25・0%、復星24・9%にする方向で調整すると昨年12月に発表していた。
復星からHTBの取締役1人を迎え入れ、復星に中国人客を年20万人ほどHTBに送ってもらうことも計画していたが、すべて白紙になる。
HTBの入場者は減少傾向が続いており、昨年9月までの年間の入場者数は前年比5・5%減の272万人だった。全体の約7%にとどまる外国人客を増やすことでテコ入れを図ろうとしていたが、今回の提携中止によって戦略の見直しを迫られる。
復星は世界各地で観光関連の企業に投資している。日本では2015年に北海道にあるリゾート施設「星野リゾートトマム」を買収したことで知られる。(女屋泰之)