パナソニックの子会社「ATOUN(あとうん)」が開発した「パワーアシストスーツ」が今月から、羽田空港で使われ始めた。重い荷物の積み下ろしをモーターの力で支援し、腰への負担を軽くする。人手不足に悩む現場の助っ人になりそうだ。
空港での様々な業務を担うJALグランドサービスが、羽田と成田空港に10台ずつ導入した。ベルトコンベヤーに乗って流れてくる重いスーツケースなどを持ち上げ、コンテナに積み込む作業員らが付ける。
荷物を持ち上げる時の腰への負担が約4割減るという。重さは4・5キロ、1回の充電で4時間使える。
同社の中村泰寛社長は「荷物をやさしく扱うため、機械化が遅れている。腰を痛める作業員もおり、作業の軽減につなげたい」と話す。
ATOUNは昨年夏の発売以来、これまでに約200台出荷した。ライバルメーカーも相次いで同じような装置を売り出している。ATOUNの藤本弘道社長は「いずれ服を着る感覚で使えるように改良を重ね、他社との違いを出していく」と話す。(米谷陽一)