フェイスブック(FB)は、個人情報の流出が明らかになった世界各地の利用者約3千万人に対し、通知を始めた。該当者の国別の内訳などは明らかにしていない。
FBのプライバシー部門副責任者ロブ・シャーマン氏は17日にビデオ会見し、「約40万人の『友達』のリストから、約3千万人分のアクセストークン(FBとアプリをつなぐ認証情報)が盗まれた」と説明した。該当者には、不正入手された可能性のある情報を伝え、不審なメールへの対応を呼びかけているという。
専門家でつくるセキュリティーチームを立ち上げたり、FB上で共有する情報を利用者が選びやすくしたりして、再発防止に力を入れている、とも語った。
FBは、利用者の関心に絞った広告で成長してきた。相次ぐ個人情報流出を受けて、利用者が離れたり情報の共有をやめたりすれば、広告収入への打撃になりかねない。
シャーマン氏は「個人情報を保護しつつ、関連広告を表示する。どちらか一方でなく両立させる」と強調した。
日本政府の個人情報保護委員会は、フェイスブックから情報流出の報告を受けて事実関係の確認を進めているという。行政指導や勧告を行うこともありうる。(栗林史子、宮地ゆう)