無人運転はどこまで実現に近づいているのだろう。IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)は日産自動車と組み、2020年代早期に無人タクシー「Easy Ride(イージーライド)」のサービス開始を目指している。記者は今月中旬、報道機関に向けて公開した実証実験に伴う試乗会に参加した。昨年3月に続く2回目の実験で、無人運転はどこまで「進化」したのか、乗って体感してみた。
ボタンでGO!
前回の実験は横浜市のみなとみらい地区のみで行ったが、今回は関内地区も加わり、横浜スタジアムや中華街、山下公園も対象エリアに入った。全ルートの長さは28キロで、前回の約6倍に延びた。
無人タクシーの配車予約は、スマートフォンでの専用アプリの操作で行う。ただし、呼べばどこにでも車が来てくれるわけではない。あらかじめ決められた15カ所の乗降地の中から、乗る地点と降りる地点を選択し、乗車ポイントまで行って車を待つシステムだ。乗降ポイントは昨年の4カ所から15カ所に増えた。
記者はJR横浜駅に近い日産グローバル本社で乗り、約3キロ先の横浜中華街で降りるという設定にした。
無人運転の車が現れた。ドアの近くに貼られたQRコードにスマホをかざすと、ドアは自動で開いた。昨年の実験ではドアの開け閉めはスタッフが行っていたというので、そこは「進化」だ。
車に乗り、シートベルトを締めた後、座席脇にある「GO」のボタンを押す。車はセンサーで周囲を確認してから動き出した。昨年はこのボタンはなく、客が乗った後に運転席に座った人(ドライバーではない)が車を出発モードに切り替えてから発車していた。
■もしも路肩に別の車が止まって…