米連邦議会の超党派議員が12日、元徴用工らへの損害賠償を認めた韓国大法院(最高裁)判決や、海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題などで関係が悪化している日本と韓国に対し、関係改善を促す決議案を提出した。
決議案を提出したのはエリオット・エンゲル下院外交委員長(民主)や、コリー・ガードナー上院外交委員会東アジア・太平洋・国際サイバーセキュリティー政策小委員(共和)ら7人。審議を経て可決される見通しだ。
決議案には「建設的で未来志向の日韓関係は、米国の外交、経済、安全保障上の国益にとって、そして、安全で安定、繁栄するインド太平洋地域の発展を支える開かれた包括的な枠組みにとっても、重要であることを再確認する」と明記した。
ブラッド・シャーマン下院外交委員会アジア・太平洋・不拡散小委員長(民主)は「米国と韓国、日本との同盟関係は、北東アジアにおける安全保障上の基盤だ。この決議が日本と韓国の友人への力強いメッセージとなるよう願っている。我々が直面する共通の安全上の課題に取り組むため、歴史が我々の協力を妨げることはあってはならない」と述べ、日韓の関係改善を訴えた。
エンゲル委員長も「今月下旬にあるトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談を含む、多くの喫緊の課題を抱えるなか、我々は責任ある道を前進させることが重要だ。米国の同盟国は我々の外交政策にとって核心だ。同盟関係をより深め、直面する課題に対処する方策を進歩させるために日韓関係者とともに協力することを楽しみにしている」とコメントした。(ワシントン=土佐茂生)