[PR]
史上最年少でプロデビューした高校生棋士、藤井聡太七段。鮮烈なデビュー戦から、公式戦29連勝という新記録達成までの快進撃を描きます。(敬称略)
名人への道 藤井聡太
ネット将棋「謎の強豪」正体は藤井聡太 感動さえ与えた
ソーダ水が飲めなかった藤井聡太七段 師匠が震えた一手
プロ初戦、「神武以来の天才」に快勝
羽生善治三冠(右)と対局する藤井聡太四段(肩書はいずれも当時)=2017年2月、AbemaTV提供
「私の引退直前に彼が現れた。彼の登場が遅れていたら、今とは違う将棋界になっていたでしょう」。「ひふみん」の愛称で知られる加藤一二三(ひふみ)九段は、そう語る。「彼」とは、藤井聡太七段のことだ。
2016年12月24日。当時14歳の藤井はプロ初戦に臨んだ。竜王戦の予選1回戦。相手の加藤は現役最年長の76歳だ。午前10時、公式戦で最も年齢が離れた対局が将棋会館で始まった。
加藤の作戦は、得意戦法の「矢倉」。加藤が果敢に攻めたが、藤井の守りの的確さが光った。午後8時43分、加藤が投了。藤井の快勝だった。
取り囲んだ取材陣の質問に答える藤井は、驚くほど落ち着いていた。「加藤先生に矢倉で教わりたいという気持ちが強かった。実力がまだまだ足りない。そこを上げていくのを当面の目標として頑張っていきたい」
加藤は17年6月に引退した。「62歳差」対戦を機に注目が高まり、テレビ番組の出演や講演などで多忙な日々を送る。「彼が記録を作る度に、私の記録が紹介される」。藤井に破られるまで「最年少棋士」の記録を持っていた加藤は、そう喜ぶ。
藤井は今や、多くの棋士が天才と認める存在になったが、加藤はこう言う。「天才かどうかは、まだ不明なところがある」
藤井聡太七段が注目を浴びた「炎の七番勝負」や、29連勝の舞台裏を描きます。おやじギャグで知られる豊川七段戦でみせた「くしゅ」とした笑顔など、秘話が満載です。
加藤は五つのクラスがある順位…