コラム(稲垣康介)
カメラマンを兼ねてコートサイドに陣取り、カメラを構えたが、第1セットはシャッターチャンスに恵まれなかった。錦織が出だしの14ポイント連取をはじめ、6―1で楽々奪取。相手のミスが多く、長いラリーがほとんどなかったからだ。
昨年のウィンブルドン4回戦で3時間29分の苦闘を強いられたときとは好対照。あの試合の第1セットは相手のサービスゲームで2ポイントしか奪えずに失う劣勢から、逆転勝ちした。
快勝したこの日の記者会見で、ウィンブルドンのときとの違いを聞いた。コーチと過去の統計からサーブの方向を研究したのか?
錦織は「今日は相手のサーブのコースが良くなかった。自分のリーチに入ってきていたので、しっかり返せた」。ラケットが届く範囲に飛んできさえすれば、面を球にあわせる技術は一級品。「手堅いテニスができたのがうれしい」。第1シードの風格がのぞいた。(稲垣康介)