神戸市は20日、飲食店10店が入る商業ビル「ゼウスタウンビル」(中央区下山手通1丁目、地上7階・地下1階建て)で1月上旬~2月上旬、3店舗の従業員と客の計33人が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えたと発表した。水道水をためる地下の受水槽の水と、5人の便からノロウイルスが検出され、市は汚染された水が原因の食中毒と断定した。
市によると、ビルに入居する飲食店から今月4日、「水が下水のように臭い」と連絡があり、確認すると受水槽の水が泡立っていた。雨水など汚染された水が流れ込んだとみられる。
ビルやマンションの受水槽は設置者が維持管理を行う。ゼウスタウンビルのものは外からの点検が難しい地下埋設式で、建築基準法で1975年12月以降は新設が禁じられている。市は飲食店に対し、受水槽の設置や管理状況を把握し、水の臭いや色に注意するよう呼びかけている。