トルコのエルドアン政権に批判的な論調で知られる日刊紙に所属していた記者らがテロ組織支援などの罪に問われた裁判の控訴審で、イスタンブールの裁判所は19日、14人を有罪とした一審判決を支持した。8人の有罪が確定し、6人の裁判は上級審に持ち込まれる。
日刊紙ジュムフリエットの編集長や記者だった14人は、取材活動などを通じて「テロ組織を支援した」との罪に問われた。昨年4月の一審判決は、全員を有罪とし、2年半から7年半の禁錮刑を言い渡していた。同紙によると、今回の判決で有罪が確定した8人のうち7人は近く収監される見通しという。
トルコでは2016年夏のクーデター未遂後に非常事態宣言が出され、政権に批判的な記者の逮捕やメディア企業の閉鎖が相次いだ。控訴審の結果を受け、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは19日、「裁判をメディアの抑圧に使うことで、政権はトルコの司法制度が正常に機能していないことを示した」と批判する声明を出した。(イスタンブール=其山史晃)