岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、入所者にけがを負わせたとして元職員が逮捕された事件で、同県警は近く、別の入所者の女性に対する傷害致死容疑で小鳥(おどり)剛容疑者(33)=名古屋市南区=を再逮捕する方針を固めた。24日にも逮捕する方針。捜査関係者への取材でわかった。
夜勤の不満、元職員が事件前に訴える 介護施設死傷
捜査関係者によると、小鳥容疑者は17年8月12日、施設内にいた中江幸子さん(当時87)に暴行を加えて、翌13日に外傷性右血気胸のため死亡させた疑いがある。
県警が中江さんの遺体を司法解剖した結果、折れた肋骨(ろっこつ)が右の肺に刺さり、穴があいて血がたまっていたことが判明した。
小鳥容疑者は、17年8月15日に「それいゆ」に入所していた別の女性(当時91)に暴行し、多発肋骨骨折や外傷性血気胸などの重傷を負わせたとして、3日に傷害容疑で県警に逮捕されていた。接見した弁護士によると、小鳥容疑者は「女性のおむつを替えただけで、暴行はしていない」と容疑を否認しているという。
施設では17年7月末~8月中旬の半月ほどの間に、入所者の男女5人が相次いで死傷しており、県警は小鳥容疑者の関与の有無などについて慎重に調べている。