岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、高齢の入所者5人が相次いで死傷した事件で、死亡した門谷富雄さん(当時80)の遺族らが、施設を運営する医療法人「同仁会」に慰謝料など約2800万円の支払いを求め、岐阜地裁高山支部に提訴していたことがわかった。2月25日付。
訴状によると、門谷さんは17年7月31日、気道内に異物が入り、窒息死した。門谷さんは死亡の1カ月前に誤嚥(ごえん)性肺炎と診断され、施設側はそれを認識しながら、食事の介助や監視などで安全配慮義務を怠ったとしている。提訴について、施設側は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
一連の事件をめぐっては、施設の元職員、小鳥(おどり)剛被告(33)=名古屋市南区=が、入所者2人に対する傷害と傷害致死の罪で起訴されている。