岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏に入所者5人が死傷し、うち1人の女性に暴行し、死亡させたとして元職員の小鳥(おどり)剛容疑者(33)が傷害致死の疑いで逮捕された事件で、女性は肋骨(ろっこつ)のほかに胸骨も折れ、胸部の広い範囲で骨折していたことが、県警への取材でわかった。県警は通常の介護ではできないけがとみて、女性が死亡した経緯について詳しく調べる。
県警によると、亡くなったのは入所者の中江幸子さん(当時87)。17年8月12日午後3時14分ごろ、小鳥容疑者に施設内で暴行を受けたとされる。同4時30分ごろ、看護師が自室で意識を失っている中江さんを発見。高山市内の病院に搬送されたが、翌13日午後9時半ごろに死亡が確認された。
司法解剖の結果、中江さんの胸骨や肋骨は複数本折れ、肋骨が肺に刺さっていた。肺には擦り傷や裂けるような傷があり、右肺付近を中心に大量の出血が確認されたという。
県警は、こうした解剖結果をもとに複数の専門家に鑑定を依頼。その結果、けがは介護中にできるものではない、との見解を得た。さらに施設内の監視カメラの映像や、職員の勤務状況などから、小鳥容疑者が中江さんの死に関与した疑いが強いと判断した。
小鳥容疑者は、中江さんが死亡…