なんでうちのばあちゃんがこんなことに――。岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、入所中の高齢者3人が相次いで死亡、2人がけがをした事件。傷害容疑で逮捕された元職員の小鳥(おどり)剛容疑者(33)に暴行を受けたとされる女性(当時91)の家族は「あれは絶対事故じゃない」と胸の内を明かした。
介護施設の元職員を傷害容疑で逮捕 岐阜の5人死傷
女性は、高山市の横山秀子さん。暴行を受けた約1カ月半後の同年10月、老衰で他界した。
横山さんの長男の妻(68)によると、横山さんは自宅で家族の介護を受けていた。トマト農家のため、夏の繁忙期だけは「それいゆ」で過ごす生活を10年ほど前から続けていた。施設では、ベッドから落ちたことはあったが、骨折といった大きなけがはなかった。長男の妻は「施設を信頼していた」と話す。
ところが、17年8月15日午後に施設から連絡を受けた。巡回中の職員が首にあざを見つけ、施設が警察へ連絡。病院へ搬送されたという。肋骨(ろっこつ)が折れ、その骨が肺に刺さるなど約2カ月の重傷を負っていた。搬送された横山さんの首には爪のあとが真っ青に残っていたという。家族は、横山さんが何者かに故意に危害を加えられ、必死に抵抗したのでは、と考えている。長男の妻は「絶対事故じゃないと思っていた」と語気を強める。
体は小さいが、元気なばあちゃ…