米メキシコ国境の壁建設費用捻出のため、トランプ米大統領が出した国家非常事態宣言に対し、野党・民主党が多数を占める米下院は26日、宣言を無効とする決議案を可決した。賛成した共和党議員もおり、共和党が過半数の上院でも離反が相次げば可決の可能性がある。最終的に決議は大統領の拒否権で退けられる見通しだが、トランプ氏への反発が広がっている。
トランプ氏、壁建設で国家非常事態宣言へ 野党は猛反発
決議は、民主党議員や一部の離反した共和党議員が賛成して可決された。今後18日以内に上院で採決される。上院の構成は民主党が45人、無所属が2人、共和党が53人。賛否が同数の場合はペンス副大統領が投票する。無所属議員は民主党に同調するとみられ、可決には最低でも共和党からの離反が4人必要となる。議会の頭越しの宣言を「正当化できない」(トム・ティリス議員)などとすでに3人の共和党議員が決議に賛成する姿勢を示している。
ただ、上下両院で可決されても、大統領が拒否権を行使すれば、両院で3分の2が賛成しなければこれを覆せない。トランプ氏は行使を明言しており、決議は実現しない可能性が高い。
トランプ氏は壁の建設で当初、…