目の前にあるのは、憧れた大都会ではなく、砂漠のように乾いた大地だった。
不法移民と米国、一致していた利害 キャラバンの背景
作戦名「忠実な愛国者」今後使わず 移民対応の米軍派遣
米国と接するメキシコ北部ティフアナ。ホンジュラス出身のホセ・ガルシアさん(20)は国境の壁によじ登り、30分ほど向かい側の景色を見つめた。初めて見た米国は頭で描いた像とは違ったが、感慨深い。「やっとここまで来た。向こうに行けば違う人生があると思い、うれしくなった」
米国への移住を目指し、中米ホンジュラスを「移民キャラバン」が出発して1カ月。徒歩やバスなどで移動し、13日から第1陣がティフアナに到着し始めた。
約4500キロを移動した彼らの前に、高さ6メートルほどの国境の壁が立ちはだかる。米側では10月末から国境警備が強化され、約5200人の米兵が任務に就いた。壁の上には鉄条網も設置された。「強制送還されたくない。違法ではない形で国境を越えたい」というガルシアさんの願いが、かなうのかは、わからない。
数日前に着いたホセ・ネミアス…