独裁的な支配に反発が広がっている南米ベネズエラのマドゥロ大統領が、トランプ米大統領との会談を希望していると、AP通信が14日、報じた。AP通信のインタビューを受けたマドゥロ氏は、ベネズエラ外相が米ニューヨークで米当局者と2度、秘密会談を行っていたとも明かした。
AP通信によると、インタビューは14日に行われた。マドゥロ氏は、現在の危機は暫定大統領を宣言した反政権派のグアイド国会議長を米国が承認したことによって生じたとの考えを示した。そのうえで、問題解決のため、トランプ米大統領との早期の会談を望んでいるとした。「いつ、どこで、どのように会うかを言ってくれれば、私はそこにいる」と語った。マドゥロ氏は、退陣を迫る国際的な圧力は乗り越えられるとの認識も示したという。
マドゥロ氏は、これまでに2回、ニューヨークでアレアサ・ベネズエラ外相と、米国のエリオット・エイブラムズ・ベネズエラ問題特使が会談していたことも明らかにした。
AP通信の取材に米高官は「マドゥロ氏を含む前政権幹部と、マドゥロ氏の退陣計画を話し合う」ことを望んでいると語ったという。
アイスランドのレイキャビクを訪問中のポンペオ米国務長官は、マドゥロ氏の発言を踏まえて記者団に、「マドゥロ氏が、国民に指導者として支持されていない状況を理解し始めている兆候だ」と述べた。(サンパウロ=岡田玄)