米衣料大手ギャップは2月28日、主力ブランド「GAP」について、今後2年間で約230店舗を閉めると発表した。閉鎖する地域の範囲は明らかになっていない。H&Mなど低価格のファストファッションやネット通販に押され苦戦していた。一方、低価格帯中心で売り上げが伸びている「オールドネイビー」は、別会社として切り離す計画も明らかにした。
ギャップの2018年度決算によると、「GAP」ブランドは世界の既存店ベースで前年度比5%の減収。安売りが常態化して低迷に歯止めがかかっていない。店舗閉鎖などのリストラで年約9千万ドル(約100億円)のコストを削る。ネットでの拡販に力を入れ、売り上げの4割がネット経由となる見込み。
一方、安価な「オールドネイビー」は若い世代に受け、18年の世界での販売は3%増と堅調。別の上場企業として独立させ、成長を速める。ギャップのロバート・フィッシャー会長は「ビジネスモデルや顧客が、ほかのブランド群とかけ離れてきており、それぞれ異なる戦略が必要だ」と述べた。オールドネイビーは日本では17年までに撤退している。
ギャップはほかに、やや高価格の「バナナ・リパブリック」やスポーツ衣料「アスレタ」などのブランドを抱える。これらは元の会社に残す。(ニューヨーク=江渕崇)